狐狼の血
2018/05/20
白石和彌監督の作品は、『牝猫たち』と『彼女がその名を知らない鳥たち』をみたことがあって、好きな監督の1人だった。
もともと好きな監督で好きな俳優が出ていて、さぞかしいい映画なのだろう、と期待いっぱいで鑑賞。
期待通り、人生好きな映画ランキング上位に入る映画だった。
昭和の香り漂いまくりのナレーションとカメラワーク、汗と血と埃でまみれた俳優たちの表情、殴る蹴る撃つ切るのすべてを詰め込んだバイオレンスシーン。
すべてが私の好みのど真ん中だった。
松坂桃李の顔が汗と泥と血で汚れて行く様は、決して嫌いではないけれどこれは芸術だと思った。
グロテスクな描写はかなり多く、肝心な部分を映さない映画とは違って、はっきりと首まで映してくれていた。血まみれになるとどうしても何がどの部分だかわからなくなりがちだけれど、この映画はこれがどこの部分なのかがよくわかり非常に良かった。
汚しすぎないことで俳優の表情も見やすくてよかった。
松坂桃李も中村倫也も前髪をあげていて額が見えるので最高だった。
とにかく綺麗なものが汚れていく様が大好きなので2時間飽きることなくあっという間で本当に面白い映画だった。