記録と感想

みたもの よんだもの かんじたこと の記録

パリ、テキサス

Wim Wenders 1984

 

妻を探してテキサスを彷徨う男の話。これだけだと何にも説明できてない、、、。

 

ラヴィスとハンターは親子だけれど、2人の関係は友情に似たようなものだったと思う。反対側の歩道で平行に歩いて帰るシーンとか妻の乗った赤い車を追ってトランシーバーでやりとりするシーンとか。

 

ラヴィスがのぞき部屋でジェーンに外で客と会うこともあるのかと聞いていたけれど、そんなこと聞いたら変な風に思われちゃうよ〜〜ほらね〜と思いながら見てた。トラヴィスが自分だと気付かせるシーンは、せっかちな私にはじれったく感じたけど、このじれったさがトラヴィスの心情やジェーンとの関係性を示すのに必要なのかなとも思う。

 

ラヴィスが失踪してジェーンも失踪して、代わりにハンターを育ててた2人は一体どんな気持ちなのかと考えてしまうね。兄の子供だけど、自分の子のように育てて可愛がってきたのにいきなりトラヴィスが見つかって仲良くなって本当のお母さんのところに行っちゃうなんて辛すぎる。最終的に本当のお母さんのところに行っちゃうなんて、さぞかなしいことでしょう。

 

過去のトラヴィスのジェーンに対する愛情は常軌を逸していて、ジェーンも逃げ出したくなるのは当然。それを後悔してテキサスを彷徨う姿と比べると、ラストシーンのトラヴィスの後ろ姿は父として男としてかっこよかった。

 

 

余談だけれど、山下智久のソロ初シングル『愛、テキサス』はこの映画が元になっているらしい。観てから聴くと、ちょっとおもしろい。